チェコ  
デビュー・レポート


                2005年9月14日〜15日

この9月にチェコデビューが実現した!
 この度、プラハ近郊のRakovnikとMimonという2都市で、ヨーロッパでは昨年のスペインに続く第2弾となる演奏会を持つことができた。出発の日から移動がスムーズに行かず、飛行機は大揺れ、チェコに着いても10度前後の寒さでしかも毎日雨。正直ちょっと憂鬱だった。でも、出会った人々から受けた、まるで家族のような温かな歓迎と優しさが、私を元気付けてくれた。
 札幌発成田へ向かう便が積乱雲の発生のため気流が乱れて成田に着陸できないという。いったん名古屋国際空港へ向かい、燃料補給をし、再度成田へ向かい着陸にチャレンジ。予定通りだと4時にはホテルにたどり着いているはずが、部屋に着いて時計を見たら午後9時を回っていた。成田で1泊、翌日パリ経由でプラハへ飛ぶ。

お城をバックに
 プラハの空港へ降り立つと、コンサート実現に尽力してくださったパヴェル・シュタイドル氏と、主催をして下さったTycova氏が一緒に迎えに来て下さっていた。空港に到着したのは夜9時ころで、すぐに車で宿泊先へ送ってもらい、疲れのためばたんと寝た。翌日はオフだったので初日の演奏会が行われるRakovnik近郊へ観光につれて行ってもらった。昼食をとったレストランで見た新聞に私のコンサートの案内を見つけた。
 
コンサートの案内が掲載された新聞手に、
      シュタイドル氏と

チェコの代表的な
ジャガイモのスープとビール
9月14日のコンサート
 9月14日はRakovnikのユダヤ教の教会・シナゴークで演奏会。素晴らしく美しい装飾、音も素晴らしくよく響く。リハーサルでは残響音が消えるのを待ってから次の音を弾く余裕を持つこと、速い曲は速すぎず弾くこと、を確認。

会場の様子

  リハーサル(シュタイドル氏と)

リハーサル、何故か大爆笑でした
 午後7時、いよいよ開演。初めにシュタイドル氏が観客に対して私の紹介を含めご挨拶。
拍手の中ステージへ。なんかいい雰囲気、待ってましたという笑顔で迎えてくれていた。
 恒例のその国の言葉でのご挨拶から始めた。「ドブリーデン!(こんにちわ)」。これだけで、既に会場は盛り上がっている。その後、「これ以上チェコ語は話せませんので、申し訳ありませんが英語でお話します。私が知っているチェコ語といえば、ドブリーデン、デクィー(ありがとう)、ウトペネツ(玉葱とウィンナーの酢漬け)、ヴィノ(ワイン)、ピヴォ(ビール)、、、、くらいなもんで」。予想外に大受けしている。私は実はこういうキャラがお似合いなのだろうか。。
 その後、曲の解説を簡単にするとシュタイドル氏がチェコ語に通訳して下さった。大変気持ちいい響きの中、無事に前半終了。控え室にCDにサインを求める人が来てくれた。後半も気持ちよく終わり、終演後は入り口に立ち、皆さんにご挨拶した。

演奏後の挨拶

花束を頂きました

控え室にて

シュタイドル氏と会場前で

教会の皆さんと

右端はシュタイドル氏
 その後、近くのレストランで打ち上げ。お世話になったTycova氏のご家族から思いがけないプレゼントを頂いた。漢字で「祥子」と書かれた大きなケーキ。皆さんの温かさに思わず涙しそうになった。私のギターをケースから出し、シュタイドル氏が弾き語りを始めた。皆、歌う、歌う。しかもハモッテるんだから、さずがチェコの国民だ。

祥子と書かれたケーキ

なんと、シュタイドル氏の弾き語り!!

皆さんと

主催者tycova氏ご家族
9月15日のコンサート
 9月15日、車で3〜4時間くらい走った。Mimonという街に午後5時ころ到着。この日は音楽学校での演奏会。掲示板に私のコンサートの案内が張ってあった。学校に入ると、ギター科の学生がまず出迎えてくれて、ギター科の講師のペーターさんを呼んで来た。私と同い年くらいの先生だ。先生の部屋には私のHPからプリントした沖縄での演奏会の写真など貼ってあるではないか。沖縄の大城先生とのデュオの写真を指さし、「あなたはバルエコとも2重奏したのですか?」と尋ねられ、「これは日本人です!」と答え、一同大笑い。
 簡単なリハーサルの後、少し散歩をして町を散策。共産主義のなごりが街のあちこちにあり、ロシア兵が銃をかまえている像が広場に立っていた。街の平穏で静かな空気と相容れない金色の兵士の像が、無機質に夕日を浴びて輝いていた。
 この日の会場は残響がほとんど無かった。そのためか幾分体に力が入っていたのだろう。終演後、左腕がだるかった。でも、お客さんの反応は大変良かったので、まあ良しとするか。

ギター科講師のペーターさんと

終演後のサイン会

 この学校には4歳から18歳までの子供たちが通っているという。
ペータさんとの写真で私が持っている人形は、
ダニエル君という少年が私のためにつくってくれたそうだ。
ジャズマンを模ったらしい。。

 きれいな花束は、後で花瓶に活けました。ホテルに帰るともう12時を回っており、無事に終わったチェコデビューを祝ってシュタイドル氏とTycova氏と乾杯をしました。

お世話になりました。
 国が違っても音楽が通じるのは本当だ。自分が精一杯心をこめて投げかければ、ちゃんと聞き手から返ってくるものがある。どこでも同じなんだな。ギターを弾くおかげで、いろんな国に行き、いろんな人に出会い、その国の食べ物を食べ、その国の空気を吸うことが出来るのは、本当にうれしい。外国には「義理人情」という単語は無いと聞くが、実は非常に人情味に溢れている。出来る限りのもてなしをしてくれる。それがいつか自分に返ってくることを期待していないのが、伝わってくる。だから温かく感じるのかもしれない。
チェコの皆さん、ありがとうございます。
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