パリ・ドイツ演奏旅行記
2011年 4月4日 (月) 〜4月12日 (火)
 ヨーロッパへ出発します。初めてアムステルダムへ行った時は新千歳空港からKLMの直行便があって簡単にいくことができましたが、一人で初めての欧州とあって非常に緊張して心も身体も硬くなっていたのを覚えています。飛行機の隣の席に座ったのが三菱自動車の方で大変親切で感じの良い人でした。海外出張に慣れていてアムステルダムへ着くまでの長い時間、色んなお話をしてくれました。アムステルダムの地図もくれて中央駅へ行く電車の乗り場まで着いてきてくれました。あの方は今どうしているかな、と時々思い出します。

 今では、あのような緊張感は全くありません。海外で演奏する機会を持てるのは本当に有り難いことです。光栄に思っています。2年に一度のペースで海外公演は続けたいと2004年から思っていましたが、昨年、今年と続けて海外公演が実現しました。関係者の皆様に感謝申し上げます。

 今では外国に友人がいるので一人ぼっちじゃありません。パリのコンサートにもそうした人たちが来てくれます。いつまでいれるの?といろいろ誘ってくれますが結局全て断って帰国せざるを得ません。放射能から逃れたかったら家に来い、と言ってくれる人もいます。ま、これについては危険はないということをちゃんと説明しました。では、行ってきます。
この文書はブログに投稿されたものをまとめて掲載しております(管理人)。
2011年04月4日(月) パリ のち くもり
パリにいます。着いた時は24度でコートを脱いで歩きました。雨模様になると幾分気温がさがり今はくもり空。日がささないとやはり肌寒く感じます。

 私がコンサートで使用するジャン・バティスタ・カステルチアC9の杉モデルは素晴らしい楽器です。反応が良く、微妙な指先のタッチによく応えてくれます。パリに着いてまっすぐ工房へ向かい楽器を受け取ってきました。食事以外はほとんど部屋にこもり練習するか寝てるかしています。時差ボケで夜は眠れず昼間が眠たい。
パリは今、木々に新しい緑が繁り始め、あちこち桜の花も咲き美しい早春の季節です。今日はニューヨークからきた友人に会って食事をする予定です。
2011年04月06日(水) 今日の朝食
 今、パリの東駅のカフェにいます。これからフランクフルトへTGVで移動します。昨夜のパリでの初コンサートはものすごく楽しく素晴らしい時間でした。初めにフランス人の皆様に感謝しますと挨拶しました。原発の問題を収束へ向かわせる為に協力を得ているからです。日本が今このような事態の中、フランスへコンサートに来ることを迷いました、と言いますと、終演後にお客さんから、次のような言葉を頂きました!!。
 被災した人達に何もしてあげられず辛い気持ちでいるのは自分も同じです、日本の皆さんだけでなくフランス人も同じ思いでいます、貴女は演奏に来て良かったと思います。貴女の演奏で私達は心を通わせて私達の気持ちと貴女が得たエネルギーを日本へ持って帰ることができるから・・・・。
 ローラン・ディアンスはボスニアへ行かなくてはならないということで私のコンサートに来ることができませんでした。トゥリアエラは大変受けて演奏後に客席から
口笛もピューピュー鳴りました。羽衣伝説はもっと受けました。カステルチアの楽器の評判が大変よくて安心しました。実際にすごく良い楽器です。さて、そろそろプラットホームへ行きます。
2011年04月09日(土) フランクフルト音楽見本市
今年も沢山の音楽業者が集まりました。

ギター関連はホール3に出展しています。

毎年、この機会に顔を合わせて

一年に一度挨拶をかわすためにここへ来る人が大勢います。

私も予定していた人達には全て会えました。


日本の卸業者さんにもお世話になりました。ありがとうございます。
2011年04月09日(土) フランクフルト中央駅
 今日はフランクフルトから南へ一時間ほどのところにあるカールスルーエに移動します。 東京で私の演奏を聴いて気に入って下さったドイツ人が昨年に続いて開いて下さるコンサートです。
 ニューヨークからパリに聴きに来てくれたアメリカ人の友人はドイツのコンサートにも来てくれます。




2011年04月10日(日)ドイツコンサート
 ドイツでのコンサート、終えました。最高に充実した時間でした。お世話になりました皆さん、ありがとうございます。カールスルーエから車で40分くらいのところエンゲルスブランド昨年に続いて二度目のコンサートです。今年新たに聴きに来て下さったお客さんも沢山いらっしゃいました。お客さんの反応が大変よくて主催のトロンサー氏が昨年より良かったと言ってくれました。また来年来てくださいと主催者からもお客さんからも言って頂いて演奏した甲斐がありました。活動の場が広がっていけば嬉しいです。
 海外公演はうまくいった場合でも、或いは一回失敗すると次の機会を作るのが難しいので気が引き締まります。状況が許すならば来年も演奏しに行きます。新品の杉の今井ギターでの初コンサートでしたが素晴らしい響きでした。


2011年04月13日(水) 今日はダウン
 写真はパリに工房をかまえるジャン・バティスタ・カステルチアさん。コンサートの後のツーショットです。

 子供の頃から必ずと言っていいほど年度末に熱を出していました。疲れがでる時期だからでしょうか。帰国したとたんに風邪を引いて今日はダウンでした。


 ヨーロッパは連日25〜30度ありましたのでこちらへ戻ってきて寒く感じました。今日は早く休もうと思います。明日から通常の生活に戻ります。



2011年04月16日(土) 新年度スタート
写真はパリで一緒に出演したジャズギタリスト達。

右はRodolphe Raffalliさん。

ジャズギタリストには憧れと尊敬の念を持っていますので彼が私の演奏を褒めてくれて本当に嬉しかったです。

今週から新年度スタートしました。
大学では6名の学生さんを担当します。
2011年04月12日(火) ヨーロッパ公演を振り返って
 今、羽田空港にいます。ドイツから帰国しました。この度の海外公演での成果は日本のことを心配してくれているヨーロッパの人達に舞台上からお礼を伝えることができたこと感謝を込めて演奏し演奏を通じてコミュニケーションをとることが出来たことヨーロッパ人の気持ちを持って帰ってきたことです。

 舞台上から日本に対する気遣いや援助について感謝を述べた時に観客から拍手が起こりました。その時から暖かい空気で会場全体が包まれているのを感じていました。私にできることはただ一生懸命演奏することですがベストを尽くしたと思っています。今日からまた次の舞台に向けてやるしかありません。
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